読書日記

急にあたたかくなってきて、春の風が気持ちいいですねー。


先日に続いて読書日記です。
1冊読むと数珠つなぎに面白い本が繋がってきて、久々に乱読中。




前回書いたウォルター・マーチの「映画の瞬き」はアマゾンで
購入したのですが、関連書籍の中にかっこいいジャケットの本があり、
思わずジャケ買いした1冊。


「アート・スピリット」ロバート・ヘンライ



“君たちは生まれながらにして巨匠なのだ!”
“80年以上に渡ってアメリカの若き芸術家たちによって
読み継がれデイヴィッド・リンチ、キース・ヘリングら
も魅了した芸術指南書の古典的名著がついに邦訳。”


なんていう宣伝文句にもやられて読んでみましたが、
ほんとうに素晴らしい本。
1920年代の本で、ちょっと読みにくいところもあるんですが、
作者で画家のヘンライの熱い教えは、今の時代でも全く色褪せない
興味深いもの。


“人間には二つの階級がある。
その一方は、アイデアをもち、たぶんそれを心から信じているが、
「成功」を手に入れるために、それを修正する。
もう一つの階級の人びとは、信じられるアイデアをもったら、
最後までそれを信じとおす。
成功しようが失敗しようが、関係ない。
先にあげた階級は、世間の大多数を占める。
そして、彼らはみな奴隷である。
第二の階級だけがこの世における完全な自由人である。”








そしてこちらは去年のNHKの特集で興味を持った杉本博司の評論集。
番組では文楽の古典「曽根崎心中」を近松門左衛門のオリジナルに近い形で
アレンジし直し、シンプルでモダンなステージがかっこよかった。


「苔のむすまで」杉本博司



これ裏ジャケがかっこいいので表にしてますが、
中にもいい写真がたくさん入ってます。


縄文時代、中世ヨーロッパ、天皇、歴史解釈から現代人が忘れていた新鮮な感覚を
紡ぎだす、杉本さんのアイデアの源泉をすこし覗けます。
歴史は学校ではかなり苦手な科目でしたが、アートや表現には不可欠ですね。


杉本氏はもうすぐDVDも出るようで
(しかも音楽は渋谷慶一郎と面白そうな取り合わせ)、
注目が高まっているようですねー。
「空間感」という建築家の採点をした本も面白そうで、また読んでみたいと思います。






で、「苔のむすまで」で大きく引用されていて、興味が湧いたのが、、、


「雨月物語」上田秋成



怪異小説なんですが、とにかく感じるのは日本人の持つ念の怖さ。
現代でもぜんぜん変わってない部分があると思います。
そしてこの文体のクールさ、美しさ!






そして、前から気になっていたこちら。
「今昔物語集」



本当にビギナー向けの訳本で、どこかで聞いたことがあるような
有名な話ばかり抜粋されています。
滅茶苦茶笑って感動してしまいました。
こちらは「雨月物語」とは打って変わって、荒々しい日本語の魅力といいますか、
生き方もダイナミックすぎ!
吹っ切れてます!
途中で引用させる俳句もクール。
芥川龍之介の創作のもとになった話もいくつか載ってます。






震災を経て、立ち止まって考えさせられ、迷うことが多いこのごろ、
こんな本達の強力なエネルギーに元気をもらいました。




市原

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