瞬き

今日からちょっと暖かくなってきましたね!
寒いのはあまり得意ではないですが、アレルギー持ちの自分としては
1年で最も集中できるのも冬なので、むしろ好きな季節です。

今年の冬は「読書の冬」でした。
仕事でグラフィックや動画を扱うことになって、気になることが変化してきたり、
ここ数年は「制作の冬」で、とにかく音源を作り続けていたので、その反動かもしれません。

文字を読んだり、YOUTUBEやVimeoの映像に見入ったりすることが新鮮です。

“映画の瞬き” by ウォルター・マーチ

コッポラ監督の右腕として、「カンバセーション」や「ゴッドファーザー」シリーズなどの
編集を手がけた、カリスマ編集者の本。

単なる技術書ではなく、いきなりストラヴィンスキーのエピソードから始まる、粋な内容で、
「カンバセーション」、「地獄の黙示録」、「存在の耐えられない軽さ」等、名画の
エピソードを交えつつ考えさせられる面白いエピソードが、
映画編集のテクニックの合間に挿入されています。

前から気になっていた映画編集の仕事。

いったいどうやって映画のカットは決まっていくのか?
カットするポイントが決まるまでのプロセスは?
そういった自分が昔から気になっていた疑問が解けるかもと思って読みだしたのですが、
編集という仕事を入口にして、人の瞬きという生理的な現象、テスト上映での
エピソードから示される、観客の感想と本当に直すべきポイントの”ずれ”など、
「なるほど!」と思うことがたくさん。
映画編集をとことん突き詰めて考える作者の姿勢は本当に敬意を覚えます。

彼に言わせると、フィルムをカットするベストなポイントは、1フレームの誤差もなく
「ここ」というポイントがあるそうで、
その映画で表現したいことに照らし合わせれば、おのずと決まってくるようです。

映画にカットという技法が発見されてから起きた革命。
そして、人の瞬きという生理的なことがこんなにかかわっているとは!

映像関係以外の方にもぜひ読んでほしい内容です。
他にもいくつかご紹介したい本があるので、またの機会に紹介します。
では!

市原

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